なぜコードギアスという作品の中で、ゼロという存在が成立することができたのか?ゼロとは何者だったのか?考察します。
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ゼロという存在とは
絶対遵守のギアスと同時にゼロは誕生しました。ゼロはまず一人でブリタニア軍人を複数人消しました。その後、イレブンのテロリストを信用させ黒の騎士団を結成しブリタニアと互角に戦えるよう指揮官として動いていきます。
黒の騎士団は初めテロリストのみで構成されており少人数でしたがゼロがブリタニアを圧倒していく姿に賛同した者達が加入し大人数となっていきます。日本解放戦線という組織さえゼロのカリスマ性に惹かれ加わり、イレブンではないがブリタニアに賛同できない人々までもがゼロについて行きたいと思い力を貸していきました。
コードギアス反逆のルルーシュR2の最後に「ギアスは願いに似ているとは思わないか?」という言葉が出てきましたが、そのギアスを持ってゼロは人々の願いを具現化した存在となっていきました。
ゼロが世界に必要とされた理由
−黒の騎士団(分かりやすい正義の味方)
黒の騎士団は元々イレブンのテロリストのみで構成されていました。人数も少なく、ただのテロリストの時点では指揮できる人間も居らず、唯々ブリタニアに噛みつくだけでブリタニアにとっても玩具くらいの認識ほどでした。
しかし、圧倒的な戦略・指揮を行うことが出来るゼロが登場したことでブリタニアと互角に戦うことが出来るようになり、更にはブリタニアを退けることさえも出来るようになりました。
ゼロは黒の騎士団にとって絶対的な存在であり、ブリタニアにイレブンの存在を認めさせる為の“力の象徴”でした。
−日本人(虐げられた人々)
黒の騎士団(元々テロリストだった者)も日本人です。その他の逆らうことが出来ず、生活を脅かされて生きている日本人にとってのゼロは“救世主”でした。
ゼロを信じる人々は、神の救いを求めるように、またはゼロを神のように思っていました。
ゼロなら世界を変えられる、ゼロなら自分たちの現状をより良いものへ変えていってくれると信じて止まない状態でした。
自分たちの出来なかったことを託せる存在であったから日本人はゼロを求めていったのでしょう。
−ブリタニア人(征服者)
ここで言うブリタニア人は黒の騎士団に賛同し、参加した者のことになります。
ディートハルトなどのブリタニア人は必要としたというよりはブリタニアに支配された日本を救い出す悪の救世主を見届けていたいという好奇心でゼロを認めていたといえます。
それを表すように「面白い」や「それでこそゼロだ」などという言葉を口にしています。ブリタニアを正義と見ているブリタニア人だったからこそ悪の救世主の出現が面白く、傍で見ていたいから賛同し、協力していったと考えられます。つまり、ブリタニア人がゼロを必要とした理由は“好奇心を満たすため”です。
黒の騎士団とゼロが作った世界、理想の果てに
結論から言うと黒の騎士団とゼロが作ったのは世界ではなく理想を叶えるための計画図案だったと捉えられます。
世界を作ったのは結果的にルルーシュの描いた理想の世界への頭の中で構築されていた図面です。黒の騎士団はあくまで駒に過ぎませんでした。勿論ゼロという存在もルルーシュにとっては駒の一つでした。
ルルーシュの図面の中に出てきた駒は多くありました。ゼロ、黒の騎士団、スザク、ブリタニアの皇女・皇子などです。ルルーシュは最終的に世界を壊し、世界を作ることに成功しました。しかし、ゼロをスザクに託すことで自らが滅びてもそのまま世界が続くようゼロを“悪の救世主”から“正義の象徴”もしくは“平和の象徴”として残しました。
つまり、ゼロ自体が理想となることで世界が出来上がったと考えられます。
おわりに
この一連の記述はあくまで考察であり、制作者の考えや込めた思いではありません。観ていた人間が受け取ったゼロの姿を考察したものです。それぞれ思うところがあるでしょうが、ゼロという存在がルルーシュの中では駒の一つに過ぎないという点は間違っていないと考えられます。