SAOシリーズの主人公といえば、キリトとアスナ。ある時は肩を並べて戦い、ある時は相手のために命を投げ出せる二人の絆は何にも揺るがされることなく、作品を貫く一本の糸となっています。
では、その二人の信頼関係はいつ生まれ、どの様に育まれてしたのか。実は、原作とアニメ、また原作の中でも書かれた時期によって設定がどんどん変化しているのです。今回は、原作とアニメ版のキリトとアスナの関係性の違いについて、ご紹介します。
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変わりゆく二人の関係
原作スタートからアニメ化まで
原作アインクラッド編は、当初は最後の2層分しか描かれていません。
それを初期設定とすると、74層攻略時にアスナの家に招かれた段階で、キリトとアスナとパーティを組んだことはなく、一緒にレストランで食事をしたこともなく、攻略関係以外で言葉を交わしたこともほとんどないと語られていました。
一方、直接の描写はなかったものの、59層攻略時に一緒に昼寝して以来、アスナはキリトのことが気になっていた模様です。
そして原作8巻収録の「圏内事件」で上記の昼寝エピソード(59層)が拾われます。ところがそこで、キリトとアスナはNPCレストランで食事してしまっているのです。続いてアニメ1期用に書かれた「星なき夜のアリア」(原作ソードアート・オンラインプログレッシブ(SAOP)1巻収録、アニメ2話相当)では、1層で既に二人は出会っています。
アニメでは言及されていませんが、SAOP版では、1層ボス戦において既にパーティを組んだことが明記されています。これで初期設定は全て「なかったこと」になってしまいました。
現在4巻まで刊行されているSAOPでは、キリトとアスナは2層以降コンビで攻略しています。さらに、各層のレストランで食事をし、一緒に風呂に入り(水着着用)、同じ部屋に泊まり、もはやこの時点でかなり二人の関係は出来上がっている感すらあります。
原作の川原礫さんは、SAOPのあとがきで極力矛盾しないように書きたい旨を表明されていますので、ここからどうやってアニメの人間関係につなげていくのかが楽しみなところです。
現時点での「正史」は
2017年4月時点で描かれている最新のキリト・アスナ関係は、以下のようになります。
1層 迷宮区で出会う。ボス戦で初パーティを組む。
2層以降 コンビで攻略する中で関係を深めていく。
20層前後 コンビ解消。キリトはソロに戻り、アスナは血盟騎士団に入団。
40層 会えば会話はするが、ぎこちない関係。アスナはキリトとのコンビに未練がある。
(劇場版特典ホープフル・チャントより)
56層 ボス戦での方針相違からデュエルに発展する。
59層 昼寝しているキリトにアスナ注意。結局一緒に昼寝し、アスナの想い再燃する。
74層 キリト、アスナの家へ。手料理をふるまわれる。
75層 結婚。
おわりに
もちろん、想いの強さは時間とは関係ありません。しかし、キリトからアスナへの想いが生まれたのはアインクラッド最後の1ヶ月弱と読める最初期の設定よりも、1層から長い時間をかけて互いの想いを育ててきたという現行設定の方が納得感はあるのではないでしょうか。
今後、まだまだ空白期間の多い二人の関係が、どんな形で補完されていくのかも注目です。