SAO事件を通じて親しくなった、総務省VR担当部門・仮想課の菊岡から呼び出されたキリト。
ガンゲイル・オンライン(GGO)というVRMMO内で「死銃(デス・ガン)」を名乗る者に撃たれたプレイヤーが、現実世界でも死亡したという事件の調査を依頼されます。かつてのデスゲームの記憶を振り払うように新たな世界にダイブしたキリトに、忌まわしい過去からの怨霊が迫ります。
本日はファントムバレット編をご紹介します。
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ファントムバレット編の魅力
ファントムバレット編の魅力は以下の3点です。
- 氷の狙撃手・シノン
- 銃vs剣、異次元の戦い
- 名探偵キリト登場
1. 氷の狙撃手・シノン
ファントムバレット編のヒロインは、GGO世界でも指折りのスナイパー・シノンこと朝田詩乃こと。強盗犯を射殺してしまった過去がトラウマになっている彼女は、映像や写真で銃を見るだけでパニックに陥ってしまうのですが、不思議とゲームの中では平気でした。
ゲームの中で強くなれば、現実でもトラウマを克服できるはず。そう信じ、銃の世界で戦い続けるシノンでしたが、その強すぎる思いは、いつしか心を縛る鎖になって彼女を追いつめていました。
現実世界での弱気な少女と、GGOでのクールなスナイパーのギャップが一つの魅力となっているシノン。そんな彼女がGGOでキリトと出会い、いかなる時も逃げずに戦うキリトの姿を見て、強くあることの本当の意味を知り、次第に変わっていきます。
2. 銃vs剣、異次元の戦い
GGOの世界は、はるかな未来をイメージした銃の世界です。
近接武器はサブ装備用のナイフなど限られたものだけしか使われていないこの世界で、キリトは光剣(ビールサーベル的な物)をメイン武器として選び、あくまで剣士として戦います。
光の剣で飛び交う銃弾を撃ち落とし、敵を一刀の元に切り捨てる黒い剣士に、猛者ぞろいのGGOプレイヤーたちも驚愕。キリトの規格外の強さを再確認させてくれる無双ぶりは、SAOファンにはたまらないポイントです。
3. 名探偵キリト登場
原作の川原礫さんは、ミステリーが好きなようで、アインクラッド編の「圏内事件」など謎解き要素のあるエピソードを書くことが多いです。
このファントムバレット編にも、そうしたミステリー趣味が色濃く表れています。デスゲームではないGGOで、どうやってゲーム内から現実のプレイヤーを殺せるのか。死銃の正体は何者なのか。
真相自体は単純なものではありますが、解決のための伏線はきちんと張られていますので、謎解きものとしても十分に楽しむことができます。
おわりに
ファントムバレット編は、王道ファンタジー風だったSAO、ALOと全く異なり、SF風の世界が舞台になる、シリーズ中でも異色のエピソードです。
シノン=詩乃のパートも成長物語としてかなりのボリュームが割かれ、これ単体でも一つの作品として成立するだけの濃い内容が詰まっています。