GGO事件後、平和にALOを楽しむアスナは、リズベットから”絶剣"と呼ばれる剣士の噂を聞きます。
毎日試合の相手を求めて現れるというその剣士は、彼女が最強と信じて疑わないキリトすら破ったのだと。興味を持ち、挑戦者として名乗りをあげるアスナでしたが、その時はまだ、「絶剣」と呼ばれた少女剣士が秘める悲しい秘密を知るよしもありませんでした…。
スポンサーリンク
マザーズロザリオ編の魅力
マザーズロザリオ編の魅力は以下3点です。
- アスナが葛藤を乗り越えて成長していく姿
- 鬼の副団長・アスナ再臨
- 社会におけるVRの可能性と希望を表現
アスナが葛藤を乗り越えて成長していく姿
キリトについては、妹・直葉との関係含めて現実世界での暮らしぶりがある程度描かれていますが、アスナのそれは断片的に触れられるだけでした。本編では、アスナの家族や普段の暮らしぶりについて知ることができます。
ただ、それは決して楽しいものではなく、厳しい母親の抑圧と親戚の好奇の目にさらされ悩んでいることがわかります。剣の力で道を切り開いた閃光アスナと、自分の将来思うようにできない現実のギャップに苦しむアスナが、絶剣ユウキとの出会いを通して本来の強さを取り戻していく。マザーズロザリオ編はアスナの成長物語でもあります。
鬼の副団長・アスナ再臨
絶剣ことユウキと出会い、成り行きで彼女のパーティ・スリーピングナイツに手を貸すことになったアスナ。
個々の能力はアスナに勝るとも劣らない実力者集団ではありますが、集団戦の駆け引きや作戦立案は不得手なスリーピングナイツの面々に対し、かつて最強ギルドのNo.2だったころの顔を見せてくれます。アインクラッド編以降はキリトの陰に隠れがちなアスナの、キレキレの指揮官ぶりに注目です。
社会におけるVRの可能性と希望を表現
このまでのシリーズでは、VR技術はあくまでもゲーム用技術としてのみ描かれていました。しかし、もしもSAOレベルのVR技術が実現したら、その可能性はゲームにとどまるものではないでしょう。
脳に直接感覚信号を送り込むのだから、生まれながらに盲目の人ですら、仮想世界では世界を見ることができるのですから。マザーズロザリオ編のテーマは、そんなVR技術の可能性の一つです。そして、今後のシリーズに続く「仮想世界が現実世界に何をもたらすのか」という問いへのプロローグでもあるのです。
おわりに
シリーズでどのエピソードが好きかと問われたら、アインクラッド編を筆頭にGGO編、アリシゼーション編など、ファンの中でもかなり票が分かれるものと思います。
しかし、”一番泣いたエピソードは?”、と聞かれたら、ほとんどの人がマザーズロザリオ編と答えるのではないでしょうか。
VRMMO世界での何気ない冒険から始まった物語は、予想もできない展開を見せ、温かい涙に包まれるラストシーンに繋がっていきます。